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2006.03.23

オーロラ姫

むかしむかし、物心ついてまだ間もない頃、一番お気に入りの絵本は
ディズニーの「眠れる森の美女」でした。

よい魔女たちが住んでいる森のなかの家、お城の大広間、悪い魔女の顔、
一枚一枚の挿絵が今でも思い出せます。
本当に大好きな絵本で、まだ字も読めないのにしょっちゅう母に「読んで」
とせがんでいたそうです。

主人公のオーロラ姫は16歳になったとき、好奇心に負けて、両親から
開けてはいけないと言われていた小部屋のドアを開けてしまいます。
そこでは悪い魔女が糸車で糸をつむいでいて、姫はツムに指先をさされ、
100年の眠りに落ちます。
姫が眠りに落ちると同時に、お城の中のすべての生き物が一緒に眠りに落ち、
お城のまわりはイバラに覆われてしまいます。

100年後に王子さまがやってきます。
王子さまは、悪い魔女の化身である竜と勇敢に戦って竜を倒します。
すると今までお城を覆っていたイバラがするすると道を開け、王子さまは
お城に入って眠る姫にキスします。
すると姫は眠りから覚め、お城のすべての生き物も目覚め、二人は結ばれて
めでたしめでたし、というお語でした。

どうしてこのお話があんなに好きだったのかはわからないけど
最近「待つ」という言葉がしきりとこころに浮かんできて、オーロラ姫のことを
思い出しました。

姫はなにもしないでただすやすやと眠っているだけ。
眠りながら、未来に会う王子さまの夢を見ていたりするわけです。
たぶん、眠っている間はなんの心配も、不安もなかったんじゃないでしょうか。

私は待つのが苦手です。
なぜ苦手かというと、待っている間に不安になるから。
不安になるといてもたってもいられなくなるので、ちょっとでもそんな
兆しを感じると、行動を起こすのが今までの私でした。

心配で眠らずに、ずっと目覚めて動き回っていたのかな。
花がまだつぼみのうちに、この花は本当に咲くのかなと不安になって
摘み取ってしまっていたのかな。
なにかが不安なとき、いつも気持ちは先へ、外へと向かっていて
不安におびえている自分自身からは目をそらしていたような気がします。

でも、花はそのままそっとしておいたほうがいいのかもしれません。
お日さまが照って、雨が降って、大地にちゃんと力があれば、
私は見守るだけでも、花は自分の力で咲くのです。
太陽や、雨や土や、花自身の生命力を信じる必要があるのかもしれません。

信じて待ちながら、オーロラ姫のように楽しい夢を見ていたらどうなるんだろう。

王子さまが来なかったら永遠に眠ったままかもしれないけど…まあ、いっか
のんびりと、花のちかくで眠っていたい春です。

20060323085846.jpg

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この記事へのコメント
少しシンクロした。
僕の場合沈没というキーワードだったけど。。

動じない安定感じゃなくて
ゆとりのある安定感でいたいなぁと。
Posted by kawayan at 2006.03.23 12:19 | 編集
いても立ってもいられない気持ちってあるよね・・・
でも私は逆に動けなくなっちゃう
本当は動いたほうがいいところでも動けない・・・v-12
じぃっと息を潜めて待っているといいこともあるし、あぁ~あってこともある
そんなもんだとあきらめずに、あぁ~あっていう時に何か取り戻せるように動けるようになりたいなぁ~って思う今日この頃ですv-252
Posted by ricetta-casuale at 2006.03.23 23:47 | 編集
沈没ってどんな感じなんだろ。

ゆとりのある安定感っていいね。

揺れない私じゃなくて、
揺れる自分を知っている私がいいな。
Posted by えりお at 2006.03.24 20:03 | 編集
もし、あぁ~あっていうときにあきらめなかったら、
なんだかすごいことになりそうだね~!

唐突だけど、ricettaちゃんのコメントを読んでいたら、
サーフィンのイメージが浮かんできた。
Posted by えりお at 2006.03.24 20:08 | 編集
イメージはサーフィンv-227
良い波をじぃっと待つ → 上手く乗れればよし、上手く乗れなくてもまた待つ、いいのが行っちゃったらちょっとがんばってパドリングすれば追いつく?でも次のを待てばいいよね
波は迎えに行けないから、待つしかない
ぷかぷか浮かんでねらうのさv-218i-278
Posted by ricetta-casuale at 2006.03.24 20:29 | 編集
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